「未来のために、今やっておくべきことって？」｜石井美保の美になる話。

未来のために、今やっておくべきことって？

ガムシャラに頑張ったこと、コツコツ日々積み重ねてきたこと。そのすべてが未来の自分につながっていく

スカラップシャツ￥26,400（yori）　ブレスレット￥572,000（アンダーザローズ）　スカート、イヤーカフ／スタイリスト私物

つかみたいものがあるなら、30代、本気でやり切ろう

いきなり結論ですが、『何かなし得たいことがあるなら、30代のうちにありったけの力でやり切るべし』。よく人生の先輩から聞くと思いますが、「40代になると、本当に体がしんどい」、これ本当なんです（笑）。だから100％のバイタリティで頑張れるのは体力的に30代まで。私は29歳のときに起業して、30代はサロンワークに邁進してきました。休みなし、飲まず食わずは当たり前、何かあれば時間外であろうが即対応するフットワークとガッツが全開でした。気づけばサロンももうすぐ20周年。私も40代後半になり、あの頃のような働き方は体力的に難しいな、と感じています。睡眠を削ったり、徹夜をしたりしても集中力を切らさずに取り組めていたことが、今だとしっかり寝ないとパフォーマンスが下がるので、あまり無理は利かないんですよね。自分の時間も情熱もMAXで注ぎ込んできた30代を眩しく思いながらも、40代・50代はそれだけではなく、自分の生き方や内面暮らしを心地よく整えた上で、仕事に向き合っていきたいと感じています。でもそれを可能にするのも、30代の頃に、時間的にも精神的にも全力を注いできた経験から得られる効率化や省エネできる知恵があってのこと。だから今、何かをつかみたいと思っているのに二の足を踏んでいる方はぜひ30代のうちにやり切ってみてください。そして30代、ガムシャラに頑張りつつ、目標が定まっているなら“その先”について早めに考えられるとよりいいですね。私の場合は好きで始めたサロンなんだから私が頑張ればいいやと常に自分がMAXで稼働することを前提にしていましたが、40代を前に“その先”を考えて動いた結果、美容家の仕事をしている間も安心してサロンを任せられるようになりました。「先のことを考えたとき、自分はどうするべきか」は早めに気づいて早めにつかんだもの勝ちだと思います。

これまでの経験はすべて未来のために役立てたい

私は将来、『仕事に全力を注いだ私の30代が無駄にならない・いかされる生き方をしたい』と思っています。大変だからと今投げ出してしまうと、あんなに頑張ってきたことがなくなってしまうような気がして、シンプルにもったいないと思います。美容家としてこの先どうなるか、それは誰にもわかりませんが、たとえ表に出ることはなくなっても、美容から離れることはないと思います。形は違ってもこれまでの経験を生かしながら何か別のことで美容業界のために力を貸せるようになりたい。そのためにはまだまだ勉強不足ですし、未来のために今、学んでおくべきことはたくさんあるなと感じています。

美は1日にしてならず。積み重ねてこその美がある

私が続けてきたことで、未来につながったこと。それはやはり『摩擦レス』だと思います。10年以上コツコツと続けてきた結果がこのシミもシワもない今の肌状態であって、時にはSNSなどで「本当は何か入れて引っ張ってるんでしょ？」なんて言われる程、あり得ないと思われるような肌を手に入れたことを誇らしくも思っています。「美は1日にしてならず」というのは真理であって、30代の頃の積み重ねが、40代になって差として現れてきます。だから私も、さらに10年・20年と『摩擦レス』を積み重ねることが、さらに信頼感を高め、より皆さんに役立つはずだと思っています。
　
正しいスキンケアをずっと続けていくこと。その大切さを体現されていたのが佐伯チズさんだと思います。実はご縁があって、お亡くなりになる少し前にご自宅にお招きいただき、初対面がかないました。この時すでにベッドから起き上がれないご容態だったのですが、その時だけは私に会うために起きて車椅子で出てきてくださり、限られた時間の中でたくさんのお話をしてくださいました。そして、チズさんのお肌を触らせていただいた瞬間、感動して涙が止まらなくなりました。闘病中とは思えないくらい美しく透き通るような、フワッとしたきめの細かいお肌。しっとりと吸い付くようなその美肌は、長年のチズさんの積み重ねが証明するところです。私が今まで目にした中でいちばん美しいお肌。人を感動させる肌とはこういうことだと衝撃を受けました。実はチズさんと私は誕生日が同じだということもその日に知り、「今年は一緒にお祝いしましょうね！」と元気な笑顔を見せてくださいましたがその願いは残念ながらかなわず。「同じ日に生まれた宿命だ」に運命のご縁を信じて“美容を諦めない姿勢”や“正しいことをずっと続けていく信念”を胸に刻み、私は私の美容を未来まで貫いていきたいと思います。

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