「どうしよう」と悩む時間もネガティブ妄想もすべてムダ。スマートに生きるコツって？｜石井美保の美になる話。

スマートに生きるコツって？

ムダ思考を手放すだけで心が少し軽くなるはず

これまでこの連載ではいろいろなテーマについてお話をしてきましたが、実は、考え方のクセによる“ムダ”への気づきが心を軽くすることにつながるというメッセージを込めてきました。「ムダに気づき、ムダを省く」ということが、ある種この連載の裏テーマになっていたことに、皆さんはお気づきでしたでしょうか？

要するに、“どうしようもないことで頭を占めて、そこに時間を割くのはムダだからやめよう”ということなのですが、その気づきによって「物事がシンプルに捉えられるようになった」「気持ちが楽になった」といった反響の声もたくさんいただきました。あふれんばかり膨大な情報の中、それに忙殺されて、心のムダな使い方をしてすり減らされてしまうということは誰にでもあることだと思います。だから、「うまく行かないな」と悩んだときはふと、自分がムダ思考に陥っていないか見つめ直し、それを手放す断捨離ができると良さそうですね。

「どうしよう」と悩む時間もネガティブ妄想もすべてムダ

以前にもお話ししましたが、何かトラブルがあったとき「どうしよう」と悩む時間や「最悪の場合、こうなるかも」とマイナスに考えを巡らせることはすべてムダです。それよりもまず、行動を開始すること。不安に思いながらそわそわと何も手につかずに待っていても結果は変わらないし、それよりも別のするべきことに取り組む方が遥かにスマートです。

後はこれまで紹介してきたムダなことで言うと、「かもしれない」予防線であれこれ買い込んだり心配しすぎることや、絶対に起こり得ない、あり得ないことを妄想して嫉妬したり落ち込んだりすること。苦手なことや嫌なことに無理して時間を割くこと、マルチタスクで散漫になった結果、二度手間をかけること。全く異なる価値観や常識をもつ相手を理解しようとすること。思い当たることはありませんか？今自分を悩ませていることが、もしかしたらムダなことなのかも？と気づくだけでもきっと、心が軽くなるはずですよ。

やるかやらないか悩むくらいならとりあえずやってみる

もうひとつ、私がムダだと感じていることが“失敗を恐れて、やるかやらないかを悩む”こと。その悩む時間をまず浪費しているのだということと、私の場合、とりあえずやってみる。失敗しても得られることもあるから、という考え。

そして先日、なるほどな、と思ったのがプライベートでも親しくしている医師の友利新ちゃんの考え方。それが「たとえば10回中1回くらい失敗しても、他人からすると全く記憶に残らない。そんなことあったっけ？くらいの話。だからよほどのことでない限り、恐れずに前に進むべき」というもの。

私とはまた違う視点ではありますが、彼女もムダを省く生き方を実践しているひとりだと感じます。私自身がムダを捨て去る“武士”な生き方をしているからか、周囲にもムダをムダとして切り捨てるような人が集まっているような気がします。

現に私はネガティブな人とは付き合わないようにしています。「どうしよう」というテーマで盛り上がることが、とてもムダだと感じるんですよね。

後は、“どちらを選んでも大差のないことに悩む”のもムダだと思いますね。身近で些細なことでいうと、「今日のランチはお肉とお魚どっちにしようかな？」というような、悩ましいけれど、正直どちらでもいい選択肢。もちろん私は即決派です。が、もう少し重要な内容のとき、例えば仕事やキャリアなど、ビジネスの場面で選択を迫られる場合、私は常に“より多くの人が喜ぶ方を選ぶ”と決めています。自分にとってやるべきか、好きか嫌いか…など自分軸で選ぶと迷いが生じますが、他人軸で選ぶと答えは明白。すぐに選択ができます。

もちろん、人生は日々選択の連続です。どちらを選んでも正解であり不正解でもあるようで、悩ましい選択肢が多いのですが、それは、双方ともに魅力や必要とする理由があるからこそ。だから、どちらを選んでも大失敗ということはないんです。「ああ、Aにしておけば良かったな」と思うことももちろんありますが、Bを選んだこそ得られることも必ずあります。AかBか、どちらを選んだとしても谷底に落ちるわけではないのですから、サクッと選ぶ。そして選んだからにはそれに集中して取り組み、選ばなかった方を振り返らない。それがスマートに生きるコツです。

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