低体温のほとんどの原因は生活習慣?
「低体温(35℃台)の人の原因のほとんどは生活習慣。体温が最も低くなるのは夜明け前とされており、体温が下がると血行の悪化、新陳代謝の低下、疲労回復の遅れなどの症状が出ます。食事を摂ると体温を上げてくれることにもつながります。朝に少しでも早く脳を活性化させるためには、糖分と良質のタンパク質を摂取する必要があります。ちゃんとした朝食がどうしても摂る時間がない人にオススメなのはバナナです。バナナと、卵、牛乳、ハチミツを適量ずつミキサーに入れてつくったシェイクを飲む習慣をつけましょう」(精神科医 保坂隆さん)
【改善策1】お風呂で芯から温まる
「夏は暑いのでシャワーで済ませる人も多いと思いますが、シャワーで温まるのは身体の表面だけです。毎日40度の湯船に10分ほど浸かって、身体の内側までしっかり温めましょう。湯船に浸かるのが苦手な人は、3分間でも構いません。汗がふつふつと出てくるまではがんばってみてください。10分間入ることより、毎日続けることが大切です」(イシハラクリニック副院長 健康ソムリエ講師 石原新菜さん)。ちなみに夏の長風呂は、浴室熱中症になる危険性があるのでご注意を。長く入れば入るほど、体が温まるというわけではなく、健康にいちばんいいのは10分程度の入浴なのだそう。
【改善策2】遠赤外線サウナで体調を整える
「高い外気で体の表面を温めるドライサウナに対して、遠赤外線サウナは体の深部から温め、保温効果も持続します。発汗作用は遠赤外線サウナのほうが、ドライサウナに比べて数倍以上。かいた汗も、ドライサウナよりサラサラとしていて使用感がいいという感想も聞きます。年齢を重ねると体温が下がると言われていますが、体を芯から温め体温を上げることで、慢性的な低体温症を改善することができます。また、サウナで体を温めると、血管が広がり、血行や代謝が改善することで、美肌効果や美髪効果も望めます。食品添加物などに含まれる化学薬品や、排気ガスなどに含まれる毒素を汗として排出することができ、体質の改善が期待できます。
ちなみに、汗をかいても脂肪燃焼をするわけではないので、サウナ浴で痩せることはありません。ですが、代謝が上がり体調が整うことで、ダイエットのしやすいコンディションに近づくことは、考えられます」(神戸メディケア東京銀座支店・所長 伊東伸一さん)。
【改善策3】適度な運動で筋肉量をUP!
「体温の4割は筋肉からつくられていて、筋肉量が増えると自然と体温が上がり、新陳代謝が活発になります。実は、男性より女性に冷え性が多いのは、筋肉量が関係しているのです。筋肉を効率よくつける方法は、下半身を鍛えること。筋肉の約70%は下半身に集中しているので、基礎代謝がアップします。運動が苦手な方はまず、毎日30回を目標にスクワットに挑戦してみてください」(イシハラクリニック副院長 / 健康ソムリエ講師 石原新菜さん) 。1度に30回続けるのではなく、1日のなかで何度かに分けて行ってもOKです。
【改善策4】規則正しい食事をする
朝、昼、夜、1日3回決まった時間に食べるようにしましょう。とくに朝食は大切です。朝食を抜くと、低血糖の状態が続いてしまい、血糖を補うインスリン拮抗ホルモンが大量に分泌されます。その後、昼食を食べると血糖値が急上昇し、血糖値を下げるインスリンが分泌されます。血糖値の激しいアップダウンは、体調不良の一因になります。また、次の食事までの時間が長くなると、血糖値が低い状態が続き、脳が強い飢餓感を感じます。そうすると食欲のコントロールができなくなり、ドカ食いをし、結果太りやすくなってしまうのです。その上、体温が低くなり、基礎代謝が低くなってしまうことも。食事の感覚が空くと、脳出血や膵臓に負担がかかるなどのリスクを上げるという研究結果もあるため、朝食は欠かさず食べるようにしてください。
【改善策5】生姜紅茶など温まるものを飲む
「冷房がかかった室内にいるときは、できるだけ温かい飲み物を飲むようにしましょう。体を芯から温めてくれる『生姜紅茶』がおすすめです。私は生姜を蒸してから乾燥させたものをストックしておいて、紅茶に入れて飲んでいます。蒸して乾燥させると、生姜の辛味成分のショウガオールが10倍以上になります。生姜の効能は3時間程度しか持たないので、こまめに生姜紅茶を飲むと、冷え対策になりますよ」(イシハラクリニック副院長 / 健康ソムリエ講師 石原新菜さん)。手軽に生姜紅茶を楽しみたいという人には、市販されている蒸した生姜を粉末状にした「蒸し生姜パウダー」がおすすめ。Amazonなどの通販サイトで手に入ります。
【改善策6】朝はにんじんリンゴジュースがおすすめ
「にんじんとリンゴは、体を温めてくれる陽性食品。代謝を上げ、免疫力を高めてくれます。このふたつでつくったジュースは腸を優しく温めてくれるので、朝食にぴったりです。1日に必要なビタミンとミネラルも補給できます。使用するにんじんは2本、リンゴは1個が目安です」(石原さん)。氷などはいれずに、丸ごとジューサーにかけるのがポイント。お好みでレモンを絞ってもおいしくいただけます。ジューサーで出た絞りかすは、カレーやケーキに再利用もできますよ。
【改善策7】積極的に発酵食品を食べる
「味噌や納豆や漬物など、発酵食品に含まれている酵素には体温を上昇させる効果があります。とくに、味噌汁の塩分は血圧を上げにくいので、健康面を考えても安心。インスタントでも同様の効果があるので、ぜひ1日に2〜3杯、味噌汁を飲んでほしいです」(石原さん)。紅茶同様、お味噌汁に生姜をいれてもOK。タンパク質や鉄分が不足しても冷え性に繋がりやすいので、卵や豆腐、ほうれん草などの食材を使うと、よりパーフェクトな温活スープが完成します。
【改善策8】腹巻きで体の真ん中からポカポカに
「腹巻きでお腹周りを温めると、全身の血流がよくなり、手足が冷えにくくなります。お腹周りを冷やしてしまうと、そこにある内臓の機能を守るため、体が末端の熱を中心部に集めようとして、手足の先が冷えてしまうのです。とくに夏は、冷たい食べ物や飲み物を好んで内臓を冷やしがちになるので、冷房が効いた室内ではぜひ腹巻きを着用してほしいですね」(石原さん)。
【改善策9】冷えやすい3つの首をあたためる
「昔から女性は3つの首(首・手首・足首)を冷やすべからずといわれますが、その理由はこの部分の皮膚が薄く、そのすぐ下に太い血管が通っているから。3つの首が冷えると、血管が冷えて、その冷えが全身に回ってしまう、ということのようです。逆にいえば、この3つの首を温めれば全身が温まるということ。そのため、私は冷房を使う夏も含め季節を問わずネックウォーマー、アームウォーマー、レッグウォーマーを手放さないようにしています」(ランジェリーライター川原好恵さん)。