40歳前後から「なぜか太りやすくなった」のはなぜ?「食べ方」のコツを覚えれば体型は崩れない?

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40歳前後から、なぜか太りやすくなったと感じる人は多いもの。実は、運動習慣を見直すだけでは不十分で、単純に食事量を減らすダイエットでは、逆効果になることもあります。

運動の見直しだけでは不十分? 食事量と食事内容をセルフチェック!

加齢に伴う体の変化は、見た目にも現れます。若いころに比べて体を動かさなくなったという人は、活動量や運動量を見直すことが大切です。そして、運動だけではなく重要なのが、食事量や食事内容の見直し。

活動量が減って消費エネルギーが少なくなっているのに、食べる量や内容が昔と変わっていなかったとしたら、摂取エネルギーが多くなり、余ったエネルギーは体脂肪として体に蓄積されてしまいます。

ところがエネルギー収支のつじつまを合わせようと、あわてて食事量を減らしても、その分体脂肪が減るという単純な引き算にはなりません。食事内容によっては、体脂肪だけではなく筋肉なども分解されてしまうこともあります。

40代以降も健康的な体型を維持するためには、運動量や活動量とともに、食事量や内容のポイントを押さえた見直しが重要になってきます。

必要な摂取エネルギー量を把握しよう

まずは食事量について見てみましょう。厚生労働省が発表している推定エネルギー必要量は、年代別の参照体重(※)をもとに身体活動レベルを3つに分けて提示しています。

エネルギー必要量は体格や活動状況など個人差があるため、あくまでも参照レベルですが、必要なエネルギー量の目安として活用することが可能です。例えば30~40代女性、身体活動レベルがⅡの人であれば推定エネルギー必要量は2050kcal/日となります。3回の食事でエネルギーをとるとすると、1食あたり約683kcalとなります。

・身体活動レベルⅠ(生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合)

・身体活動レベルⅡ(座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合)

・身体活動レベルⅢ(移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合)

※参照体重とは……性及び年齢区分に応じて、日本人の平均的な体位を持った人を想定し、健全な発育及び健康の保持・増進、生活習慣病の予防を考える上での参照値として提示したもの

40代以降は特に注意! 美しい体型をキープするための食の3ポイント

食事量とともに確認したいものが食事内容です。食事の基本としては「栄養バランスの良い食事」すなわち、偏りのない食事を目指すこと。その上で必要に応じて栄養素の過不足を見直しましょう。

「糖質」は抜かない

糖質を制限する食事内容は、糖質代謝に問題のある場合、医師の指導のもとに行うことが望ましいと言えるでしょう。自己判断で糖質を過度に抜いてしまうと、体を動かすエネルギー源が不足することになります。

糖質を抜くと減量につながると思われがちですが、糖質は体内で水分と結合しやすい性質があり、減量したものの多くは水分量が減ることによる一時的なものと考えられます。糖質を控えめにするのであれば、食事よりも糖質を含む飲みものを控えた方が、生活習慣病の予防に役立ちます。

「脂質」は控えめにする

摂取エネルギー量に大きく影響するものの一つが脂質を含む食べものです。特にスナック類や甘いお菓子など、糖質と脂質がメインとなるものを控えめにすると、摂取エネルギー量を抑えることにもつながります。

でもたまには甘いものも食べたくなりますよね。そんなときは「おやつの時間」といわれる午後3時頃に適量をとるようにしましょう。

この時間帯は食事と食事の間(食間)であり、血糖値が下がっていることに加えて、脂肪をため込む働きを持つBMAL1(ビーマルワン)というたんぱく質が少ない時間帯でもあります。食べたものが脂肪として蓄積されにくく、エネルギー源として使われることが期待できます。

「たんぱく質」は積極的に摂る

筋肉をはじめ、さまざまな組織の元となるたんぱく質は毎食必ず摂りたい栄養素です。夕食はお肉や魚などメイン料理にたんぱく質が多く含まれますが、朝食や昼食はたんぱく質が不足しがちです。

筋肉は一日を通して合成と分解を繰り返しますが、寝ている間はどうしても筋肉が分解されやすくなるため、朝食にたんぱく質を含む食材をとることは、筋肉を維持するためにも欠かせません。一般の人であれば体重1kgあたりたんぱく質1~1.2gを目安に3食に分けて摂るようにしましょう。

※参考:日本人の食事摂取基準(2020年版) 厚生労働省より

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